黄昏の時が包む町。
朝もなく昼もないここでは人々が常に賑わい活動をしていた。

彼らが恐れるのは唯一、辺りが闇へと包まれる夜になること。

「夜になったら鬼が僕らを地獄へ連れて行くんだ」

夜の訪れは、鬼の来訪を告げていた。
鬼の目的はわからない。ただ人々を攫い、殺していた。

そして鬼に対抗すべく人々が立ち上げたのが
治安維持特別守護警備隊、別名『ヨノモリ』

主人公・真秀もヨノモリに属し、鬼の討伐任務に当たっている。
だが彼はその倒すべき存在の鬼である秀と共に生活をしていた。

そんなある日、現隊長の推薦で問題児が集まり、
危険な鬼の討伐を行う 第三特隊への異動が決まる。

それからも任務へと当たっていたが
ある日、秀を返せと言う鬼に襲われて……――。


常に夕方のような暗さで、多くの日雨が降り続ける。空模様で時間を知ることはできない。
ゆえにどの時間でも人が活動しているため町が静まり変えることはほとんどないが、
唯一夜になった時だけ鬼から身を守るために人々が身を隠し静かになる。

治安維持特別守護警備隊、別名『ヨノモリ』。

町の治安維持を目的とし、町で起こる様々な事柄の調査や処理を行っている組織。

犯罪行為を取り締まる警察組
火事に関する処理や調査を行う消防組
治水や水害を取り扱う治水組
鬼の討伐を担う鬼鎮部
など 分野ごとにいくつかの部隊に分かれている。

人を襲う鬼に対応するため現総監・御影が夜間警邏隊という名称の自警団を発足させたのが始まり。
その当時に『ヨノモリ』という名前が定着していた。

元々鬼の討伐能力はある浪人たちを入れるために、実力主義で入れるように第三特隊が設けられた。
大仰な名前の隊にしたのも、身分差での差別をなくす目的があったものの、
結果的に第三には荒っぽい実力者が入り始め、最終的には問題児を放り込む隊になった。第三特隊に入っても辞めないのはそれぞれに事情があるから。

ただし、実力のみ見られる隊ゆえに、結果さえ出していればある程度のことには目を瞑ってもらえる。

人々を地獄へ連れて行くとされる存在。
ただ忽然と人をさらう鬼もいれば、残虐に人を殺し奪うものもいる。

彼らは言葉を話さず、顔には面布がかかっている。
姿も人とほとんど同じであるが、血の気はなくどこか不気味である。