同日
25時30分
京都市下京区
Rロイヤルホテル プレミアムフロア
久しぶりの京のおばんざいで夕食を済ませ、ホテルにチェックインし、広いバスルームで汗を流し合った。中学生のころのプールのあとのようにはしゃぎながらシャワーを浴びていたが、次第に肌が熱を帯び、唇が触れ合い、ついには濡れた身体のままベッドに倒れ込んでから、もう4時間か5時間か。
其扇も蓼丸も、互いの舌で一度ずつ、互いの指でもう一度ずつ、それから深く繋がって、いったい何度達しただろう。
途中で力が尽きると自堕落に裸のままビールを飲み、戯れにキスをしてまた熱くなって絡み合う。そうした行為の間にも、格好のつかない、けれどほかの誰にも代わりのきかない穏やかな会話がある。
ひりひりしない。
痛みがない。
そんなセックスは、ふたりの心と身体をどこまでも豊かに満たす。
「なあ一貴……さっきの、もう一回……よかったから、またしてくれよ――」
ねだられて蓼丸は、ミニバーのミネラルウォーターを口に含んだまま、其扇のものを咥えた。冷たい水がペニスの熱を中和させて不思議な心地よさだと、其扇はうっとり呟く。
「ああ……つめ、たい……」
「ん――……、ふ……」
「いい――……すごい、気持ちいい……一貴……」
「もっと……?」
「ん、もう少し……俺がいったら、今度は一貴が中に入ってきていいから……」
しかし其扇は、もう容易に射精しないだろう。少なくとも4回は達している。
「晟尋がいってから……? 待てないよ。入りたい――」
「……え。おまえ、すごいな。おまえだってもう……」
「うん。晟尋とだと、何回もできそう」
「ふふ。13年分溜まってるもんな」
「かな? もっとだと思うけど」
交わりながら言葉で戯れ合うことが、たまらなく愉しい。語る言葉なら、いくらでもある。初めて出会った14歳のころまで、記憶はたやすく遡行する。傷つけ合い、あやうく共に破滅しそうになったことさえ、いまなら睦言に変えられる。
「じゃあ、おいで。俺の、ここ――」
其扇が大きく脚を広げ、後孔へ指を這わせる。其扇の指先に、蓼丸が放った精液が絡んでぬらぬらと光る。
「ここにさ……一貴、おまえの――」
あとの言葉は、喘ぎに変わった。
濡れた孔に突き込まれた蓼丸のもの、それがもたらす快楽を、其扇は身を捩らせて味わい尽くす。
「あ、あぁ……ああ、いい、あ、っい……ぃ、ぐぅ……っ」
「っく……、晟尋……っ」
「っ、は、あ、あぁ、っう……う、ぅあ、あ……」
声は獣のようかもしれない。
姿は猥らすぎるかもしれない。
ふたりとも、みっともないかもしれない。それでも許し合えるのは、長い時の蓄積があるから。お互いがお互いのものだから、なのだろう。
「愛してる……俺の、一貴……」
了