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 2020年8月8日からずっと
 夜も昼もなく
 東京都港区広尾
 東郷遊馬 自宅

「遊馬……あ、あっ……遊馬ぁ……っ。あ、や、も、そこ……っだ、だめ……っ」

駄目と言いながら、其扇の身体は溶けていく。遊馬の愛撫に応えて、とろとろに柔らかくなっていく。熱く濡れて遊馬を包み、奥へ奥へと引き摺り込むように蠕動する。
いい。
心地いい。
おかしくなってしまいそうなほど気持ちがいい。

「あ、ぁあ……――……う、動いて……ねえ……っ。前も、触ってよ……」
「だぁめ……じっとして、晟尋……」
「ぅ、うぅ……うあぁ……っ」
いま遊馬は、其扇の奥深くまで沈み込んだまま、目も眩むような射精感を耐えて動かずにいる。繋がった状態が長く続くほどに、其扇の全身が――それこそ指の先や肘や膝など、性感帯ではなかったはずの箇所まで敏感になっていくことに気付いたのだ。この数日間のうちに。
積み重なっていくのだ。快楽の記憶が、ふたりで過ごした時間の中に。

「晟尋……いろんな気持ちいいこと、見つけていこうな……」
「……っは、ぁ……――」

遊馬の腹の下で、其扇は、返事をすることさえままならないようだ。少しでも動けば、なにかを誘発して、連動して、恐ろしいような絶頂を味わうことになる予感がしている――のだろう。
この数日間のうち、そんなふうに遊馬と其扇は幾度も、いくつもの絶頂を味わった。

「あす、ま……遊馬……っ、も、頼むから、動いて……ぐちゃぐちゃにしていい、から……っ」
「そんなに、して欲しい……?」
「……だって、このままだと……」

もう、どこに触れられても、どうにかなってしまいそうなのだろう。
それでいい。
そうなるのを、待っていた。

「晟尋――……ん――……」
「え、ぁ……っ? な、っあ、あ、あ――ぅああああぁっ!」

尖らせた舌先で、紅く固くなった乳首をちろりと舐める。たったそれだけの愛撫に、其扇は一瞬で昇り詰めた。

「あっ、あぁぅ、う、うぁぁああ――……!」
「っ、く……!」

快楽の激しさに痙攣する其扇の身体を押さえ込むように抱きしめる。そのまま深く腰を送り、其扇の奥を暴くように貫く。

「っひ、ぅ、うっ、あ、ああっ、あ、や、ああぁっ! ま、また……っ、あぁ、また、またいく……っ!」
「う――……あぁ……あき、ひろ……いい――いぃ――……」

終わらない絶頂感に、其扇がひきつった悲鳴をあげる。が、もはや遊馬もこらえることなどできない。きつく締まる襞を押し開くように幾度も突き上げ、引き抜き、抉った。

「好きだ……好きだ、晟尋……」
「う、ぁ……あ、ぁ――遊馬……っ、ぅ、ぐ……あぁ、ぁあ……っ」

青いサファイアを曇らせるように、涙混じりの其扇の喘ぎがふりかかる。その泣き声をもっと聞きたくて、遊馬は、もっともっと深く突く。

「泣き虫だな、晟尋――……」

囁く自分の声が、甘くやさしく響いているように――と願いながら、遊馬は、際限なしの快楽の中へ、其扇もろとも呑み込まれていった。

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